要介護者やそれを支える家族は、さまざまな不安や悩みを抱えながら生活をしている。そのため介護に詳しいヘルパーに相談を持ちかける機会も多くなる。ヘルパーの知識だけで答えられるものもあるのだが、専門的な助言が必要な場合はコーディネーターと連携を取らなければならない。場合によっては利用者本人や家族の悩みを聞くことで、その人たちの心が落ち着くこともある。そうした心のケアもヘルパーの仕事のひとつといえるのだ。
家事援助や身体介護の他に相談を受けて助言するのもヘルパーの仕事だが、してはならないこともある。それは、医療行為と契約外の仕事だ。浣腸や座薬の挿入、痰の吸引、膀胱洗浄などは医療行為に該当し、ヘルパーはしてはならないことになっている。家族がやっていることもあるのだが、本来は医師の責任のもとで行われる行為である。
契約外の仕事については、たとえば家事援助の契約のみで来ているヘルパーが、ついでに身体介護もしてほしいと頼まれた場合が該当する。その際は上司やコーディネーターに伝え、改めて利用者と事業者の間で契約を結び直さなくてはならない。利用者との関係が良好になればなるほど、断りにくくなり、契約外の仕事をやってしまいがちだが、それは厳禁である。実際は何かのついでに、ささいなことをお願いされるケースがかなりある。そのような依頼を迅速に断ることも、ヘルパーには求められるのだ。
ヘルパーの仕事について曖昧になっている人は「訪問介護でのヘルパーの役割」をみると再認識することができる。
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